働かない生活ってどうなの? 「働かないって、ワクワクしない?」
働かないって、ワクワクしない? アーニー・J・ゼリンスキー【著】
●構成
第一章 あなたも、のんきで気楽な生活ができる
第二章 ものの見方が生き方を変える
第三章 仕事人間は奴隷と同じ
第四章 あまり働かないことは健康にいい
第五章 失業 自分がどんな人間かを知る真のテスト
第六章 私を退屈させているのはこの私
第七章 誰かがおこした火で温まるのではなく、自分で火をおこそう
第八章 受け身の活動だけでは何も得られない
第十章 くだらない仲間といるよりひとりになれ
第十一章 優雅な生活に大金はいらない
第十二章 終わりは、今、始まったばかり
ザックリまとめちゃうと、仕事一辺倒にならずに自由時間を楽しもう!的な感じかな。
所謂、ワークライフバランスってやつか。
なので、「働かない生活」を実現するための具体的方法というより、その生活を有意義に送るためのマインドが記されている。
●仕事人間からの解放
本書、なかなか刺激的なワードも散見する。
仕事人間は奴隷と同じ
仕事中毒の日本人
かなり挑戦的だ。
きっと、イラツとなった人もいるだろう。
だが、ここは一旦大人の対応といこうではないか。
何も仕事を一生懸命頑張っている人を馬鹿にしているではない。
その仕事一辺倒な生き方に警鐘を鳴らしているといった方が適切である。
これで思い出すのが大学時代に内定をもらって、入社前研修に参加した時の話だ。
当時の社長がこう仰った。
「学生時代に遊びつくして、仕事しかすることがない状態で入社してきてください!」
「仕事は自己実現!」
こんなパワーワードを繰り出してきた。
同期たちは何を思ったか知らないが、私は心の中で「絶対嫌です!」とはり叫んだ。
というのも、「定年迎えて仕事しなくなったらどうするの?」って思ってたからである。(ちなみにこの社長は何年も前に引退されているが、どうされてるんだろう・・・)
「若造のくせに何考えとるんじゃ!!」というお叱りを真摯に受け止めた上で話を進めよう。
だが、著者が懸念しているのはこの状態なのだ。
仕事しかしてこなくて、それがなくなったら自由時間はあまりに空虚で無機質なものになってしまう。
退屈極まりない日々が続くことは、容易に想像できるだろう。
「俺は仕事が大好きなんだ! ほっとけよ!」と憤慨する人もいるに違いない。
もちろん、それを否定するつもりは毛頭ない。
しかし、今の働き方に少しでも違和感があるのなら、一度真剣に考える価値は大いにあるはず。
●自由時間をとことん味わう
本書の核となるテーマが「自由時間」だ。
いかにこれを増やして充実させるかがポイントとなる。
ここは思い切って長期休暇を取ってみるのがいい。
著者は「仕事辞めたら? そんで次の仕事までたっぷり休んでみようや」みたいなスタンスだが、家庭や組織で地位のある人にとっては現実的ではない。
だから、サラリーマン的には長期休暇取得が有力だ。
「それができたら苦労しねえよ」って話だけど、どうにかこうにか取得する作戦を大真面目に考えてみるべきではある。
さて、長期休暇は各々が取得したと仮定して、次のステップはそれをいかに最大限充実させるかだ。
ここで大事なのは受け身ではいけないってことである。
新しく何かに挑戦してみたり、今までやってみたかったことに取り組んでみたりという自分主導の積極的姿勢が何より大切だ。
それともう一つ超重要だと思ったのが「お金がなければ充実しない。幸福になれない」という考えを改めることだ。
当然、お金がなければ生活はしていけない。
だが必要以上の、そして身の丈以上のお金を稼ぐことに躍起になって、大切な人とのつながりが薄弱になったり、本当に好きなことをやる時間を犠牲にしまくったり、最悪体を壊したりしては元も子もない。
これは私事だけど・・・
- 囲碁
- 読書
- ブログ
- 筋トレ
これらを趣味としてやっているが、ぶっちゃけほとんどお金はかからない。
お金をかけずに楽しい時間を過ごす方法なんて無数に存在している。
要はどうやってそれを探し出すかだけの問題だ。
本書を読んでまず感じたのはこれだった。
そして、この探し出すというのは一つのスキルであり能力だと私は考えている。
ありがたいことに、これは年齢も性別も学歴も仕事ができるとかできないとかも一切関係ない。
●働かない生活
最後に「働かない生活ってどうなの?」って話である。
ここは、現役バリバリで働かない生活を送っている人である私の感想を書いておこう。
ちなみに私は高等遊民でもないし、大富豪の養子になったわけでもないし、宝くじで10億当ちゃったラッキーボーイでもない。
ただただ、仕事で心身共に破壊されてしまっただけの人だ。(だいぶ回復はしたよ!)
長時間労働(残業100時間超)、サービス残業(仕事のテイクアウトも含む)、パワハラ、めんどくさい人間関係などなど経験し、現在はそのすべてから解放されている私が感じるのはこれだ。
「自由時間がたっぷりあるのってめっちゃ幸せ」
お金持ちにならなくても充実した時間を過ごすことはできる。
休職しなければこのことには気づけなかっただろう。
あとは、完全に労働時間を0にできないまでも残りの人生でいかに自由時間を増やせるかの勝負だ。
最後にタイトルの「働かないって、ワクワクしない?」への解答。
A.最高です!