天才の真似事してたら「ルーティン最強説」にたどりついた
「ルーティン」と聞くと何を思い浮かべるだろうか。
もしかしたら決まり決まったことを繰り返す退屈極まりないことと考える人もいるかもしれない。
ところが、ルーティンこそその人の能力を最大限に発揮する可能性を秘めているとしたらどうだろう。
何冊か習慣とかに関する本を読んだが、やはり仕事やプライベートにかかわらずルーティンを持つことは重要だ。
それについての経験談を書いてみよう。
●「ルーティンワークはするな」と言われたあの日・・・
昔話をしよう。私が新入社員のときのことだ。
上司からこんなことを言われた。
「ルーティンワークはするな」
右も左もわからない私は、臨機応変に仕事をこなすことがカッコいいと思っていた。
否、実際にはカッコいいしデキるビジネスパーソンの理想像とも言えよう。
だから、計画とか特に立てずに仕事に臨んだ。
その結果どうなったか。
毎月残業が100時間を超し、休みも劇的に削られた。
当時の残業時間は同期をはるかに凌駕し、他の追随をゆるさなかった。
体育会系でイケイケの上司だったため、私も仕事とはこういうものだと信じて疑わなかった。
だが、今振り返ってみても何か生産的なことをしていたかとなるとここは大いに疑問と言わざるを得ない。
上司がいるから帰れないといった、もはや仕事と呼ぶにはおこがましいようなことまであった。
挙句の果てには、残業自慢が繰り広げられるような有様である。
ここまでくると「デキるビジネスパーソン」とは対極だ。
そして、このときに確信した。
ルーティンは絶対に必要だと。
●なぜルーティンが必要か
ではなぜルーティンが必要なのかと言うと、シンプルに「無駄なことをなくすため」である。
前述の通り、残業時間は異常に長かったが何か成長につながったとか、偉大な功績を残したとかなると、そんなことはない。
もちろん残業がすべて悪だとは思わない。
トラブルの対応だったり、急なお客様対応だったりで発生することもある。
これは仕方ない部分だ。
ところが、私のケースだといたずらに時間を消費していたと言わざるを得ない。
その時間を利用して、趣味に没頭したり、睡眠時間を確保したりできたはずだ。
ぶっちゃけ、よほどの天才でない限りその日の思いつきで仕事をしているとロクなことにはならない。
「臨機応変」と言ってもそれはルーティンありきのものである。
これは新入社員の私に声を大にして言いたい。
そしてもう一つ重要なのが、「モチベーションに左右されないこと」である。
モチベーションは気まぐれなもので、行動力などを授けてくれるが、急にいなくなって私たちを無気力にさせるというツンデレな一面もある。
ルーティンを持つことは、このあてにならないものに影響されにくいというメリットがある。
●ルーティン作成
ところが、実際の職場で自分のルーティンを爆発させるのは難しい。
「君のルーティンとか知らんから」と一蹴されるのが関の山だろう。
ここで悲観することはない。
「休日」という会社に拘束されない神聖な時間がある。
これをうまく活用しない手はない。
そこで私は、休日にルーティンを作成し実行してみた。
休日こそ好きなだけ寝て、ダラダラ過ごしたいものだがその気持ちはぐっと押し殺す。
まあ、ルーティンと言ってもガチガチに「何時から何時までにこれをして・・・」みたいに決めているのではなく、とてもざっくりしたものだ。
基本的に意識したものは「午前中にアウトプット、午後からはインプット」ということだ。
午前中にはブログを書いたり、下書きをノートに書いたりというものである。
そして午後からは読書をしたり、趣味の囲碁をたしなんだりといった具合だ。
その結果私は偉大なる功績を残した。
なんてことはない。
だが、明らかに人生の充実度は格段に上がった。
自分の決めたことをきっちりできていることは安心感が得られるし、達成感も味わえる。
思い付きで行動していた時とは別物だ。
それに規則正しい生活を送ることもできる。
凡人にこそルーティンは必要なのだ。
●ルーティンが天才を作る
最後になぜ、こんなに「ルーティン、ルーティン」と私がはしゃいでいるかというと、
以前読んだ「天才たちの日課」という本に影響されているからである。
よく一流の人たちは独自のルーティンを持っていると聞く。
イチローが毎日同じものを食べてたとか、バッターボックスに入るときのしぐさなどは、これまで耳に胼胝ができるほど聞いてきた。
村上春樹氏も毎日走ることを日課としていて、それが大作を生むのに必要だと語っている。
他にも偉人たちは意外にも判で押したような生活をしている人が多い。
ここで思うのは天才だからルーティンを持っているのではなく、自分に合ったルーティンを持っているからこそ天才なのだと。
ルーティンこそ天才を作りだす。
よって私は天才への第一歩を踏み出したのだ。