一匹狼になりたくて

ここは孤高のアウトプット場

スマホ時間減らしてみたら・・・ 「スマホ脳」

スマホ脳 アンデシュ・ハンセン【著】

 

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●構成

第1章 人類はスマホなしで歴史をつくってきた

第2章 ストレス、恐怖、うつには役目がある

第3章 スマホは私たちの最新のドラッグである

第4章 集中力こそ現代社会の貴重品

第5章 スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響

第6章 SNS 現代最強の「インフルエンサー

第7章 バカになっていく子供たち

第8章 運動というスマートな対抗策

第9章 脳はスマホに適応するのか?

第10章 おわりに

 

内容を超簡潔にまとめるとスマホ依存はヤベぇ」になる。

 

スマホどのくらい使ってる?

スマホは現代人にとって欠くことのできないアイテムとなっている。

小学生から高齢者まで、老若男女問わず誰もが当たり前のように使う。

 

ではそのスマホ、1日に何時間使っているのだろうか。

本書によれば、大人は大体4時間使用しているという。

 

試しに私もスマホの使用時間がわかるアプリを取り入れてみた。

すると、だいたい1日3時間くらいであった。

 

ということは、単純計算で1ヶ月では約90時間。

否、休日などはもっと使用しているだろうから100時間は軽くいくだろう。

 

この現実は私にとってかなりショッキングなことだった。

「この時間をもっと有効に使えれば・・・」

 

そう感じずにいられない。

だが、そう感じながらも人はまたスマホをいじってしまう。

 

ここがスマホの恐ろしいところだ。

 

●作った人たちも脅威を抱く

興味深いのはこの依存性に脅威を抱いているのは、開発に携わった人たちである。

アップル社の幹部トニー・ファデルはこう述べたそうだ。

 

冷や汗をびっしょりかいて目を覚ますんだ。

僕たちはいったいなにを創ってしまったんだろうって。

うちの子供たちは、僕がスクリーンを取り上げようとすると、まるで自分の一部を奪われるような顔をする。

それも、激しく。そのあと数日間、放心したような状態なんだ。

 

また、フェイスブックの「いいね」機能を開発したジャスティン・ローゼンスタインという人はこう言った。

 

製品を開発するときに最善を尽くすのは当然のこと。

それが思ってもみないような悪影響を与える・・・

それに気づいたのは後になってからだ。

 

SNSでなにか投稿して「いいね」がつくと嬉しい。

しかし、それが依存度を高めていることは否定できない。

 

さらには、あのスティーブ・ジョブズも自分の子供には使用時間を厳しく制限させたというのだから驚きだ。

 

開発者側が恐れをなすほどだから、使用上の注意がかなり必要ということになる。

 

スマホ依存の影響

でも、「スマホ依存の何が問題なんだよ」と疑問を抱くかもしれない。

たしかに死に直結するわけでもないし、人様に多大な迷惑をかけたりすることもない。

 

だから好きに使わせてくれよって思うのは当然といえば当然だ。

 

だが何より私自身、スマホ依存の悪影響を痛感している。

例えば以下の点にある。

  • 集中しなければいけないときに集中できない
  • 寝つきが悪くなる
  • 目が重く感じる

こういった症状があるのだ。

 

本書ではこれらについても言及されており、様々な研究結果からスマホ依存と強い因果関係があるようだ。

 

また、精神面にまで悪影響を及ぼす。

特にSNSは危険で、その使用時間が長い人ほど「幸せではない」と思う率が高いというのだ。

他人との比較で劣等感などを生んでしまうのかもしれない。

 

さらには、うつ病との相関関係についても書かれている。

これに関してはいくつかの国で研究されており、うつ病の危険性が報告されているようだ。

 

著者の見解だと、スマホのせいで100%うつになるとは限らないが危険因子のひとつと捉えている。

 

自分たちの身近にあり、とても便利なものにもかかわらず、それが生活や心身を破壊しかねないというのは何とも恐ろしい話だ。

 

●結局、運動が最強な件

さてここからが大事なのだ。

本書はかなりのページ、スマホの悪影響について述べられている。

 

「もうお腹いっぱいですわ・・・」ってくらいに。

 

しかし!!

正直我々が知りたいのはそこよりもいかにか改善していくかである。

それが知りたいがために本書を買ったと言っても過言ではない。

 

「アンデシュ・ハンセン先生、すごいやつ頼みますよ・・・」

すがる思いで読み進めたが、なんとあろうことかそれについては終盤に少ししか書かれていない!!

 

まじか・・・と思いながらもここまで来たら読むしかない。

で、著者が猛プッシュしているのが「運動」である。

 

これについては多くの研究結果ある。

結論から言えば週3回、1回45分の運動でOKらしい。

 

内容も散歩、筋トレ、ジョギング、ヨガなどなど基本的には何でも良いそうだ。

ただ、強いて言えば心拍数が上がる程度をお勧めしている。

 

それと、この「運動」については著者の別書「一流の頭脳」を読んでみてほしい。

より詳細なことが書かれている。

 

aloof999.hatenablog.com

これはマジでおすすめ!!

 

スマホ時間減らしてみたら・・・

さて、実際にスマホ時間減らしてみようと一念発起してやってみた。

というもの、ここ数ヶ月で試験的に全くスマホを触らない日や時間制限を決める日を何日か設けてみたのである。

 

結果は辛いもので、自分の依存度がかなり高いと痛感せざるを得なかった。

近所のスーパーに買い物に行く際、家にスマホを置いて出ただけでもそわそわした。

 

他にも趣味に興じている時間ですら、手元にないと落ち着かない状況というありさまである。

 

しかしこれは無駄ではなかった。

 

結論として「時間はけっこうある」ってことがよく分かったのだ。

それもそのはずで、月に100時間以上スマホに投じているわけだから、その時間を減らせば他にかなりの時間割ける。

 

しかし、これを体験できたのは大きな進歩であり、あとはその時間をいかに増やして、有効活用できるかだ。

 

●改善策は自分で作る

最後になるが、本書は改善策についてはあまり多く述べられていない。

だからと言って、読むだけ損とか読む価値がないとは全く思わない。

 

むしろ逆で、「スマホ依存だろうが、なんだろうが関係ねえ!!」みたいな人を除いて、少しでもスマホ依存を改善したい人ならぜひ読んでみるべきだ。

 

というのも、これだけスマホが普及し、私たちの生活に溶け込み無くてはならない存在となった今、それに依存するのは至極当然である。

 

だから、これを改善する策の決定版はないと考える。

もし万人に効果てきめんなものがあるのなら、これほどまでにスマホ依存が問題になることはない。

 

よって、まずは本書を読んでみて、「これ当てはまるわ~」みたいに現実を受け止めてみる。

そこから、自分のライフスタイルにフィットした改善策を試行錯誤して作り上げることが大切ではないだろうか。

 

そう考えると本書の価値は計り知れない。