一匹狼になりたくて

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歩こう、歩こう、私は元気 「私の生活流儀」

私の生活流儀 本多静六【著】

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●構成

私の健康長寿法

一、健康長寿はどうして求めるか

二、一生元気に働き続けるには

三、人間は百二十までいきられる

四、新生命観と人生計画の立て方

 

私の暮らし方・考え方

一、ムリのない法・ムダのない法

二、大切な住まいの工夫

三、家の内のこと・家の外のこと

四、頭の使い方と足の使い方

五、ぐっすり眠り忙しく働く法

六、金の話・人の話

 

超ザックリまとめると「健康長寿で一生現役で働いて学んでいこう」的な内容である。

 

本多静六という人

まず本書を読むうえで、著者の本多静六という人について軽く知っておきたい。

 

1866年に埼玉県に生まれる。

1884年に東京山林学校に入学。

しかし、一度落第を経験し、そのショックから井戸に投身する。

 

そこから生還し、気持ちを新たに学問に邁進。

1892年には東京農科大学の助教授に就任。

 

研究のみならず、植林、造園、産業振興などマルチに活躍した。

 

また、質素倹約・投資・月給1/4天引き貯金により莫大な財産を得るも、退官を機に全額匿名で寄付する。

 

1927年、86歳で逝去。

 

ざっとこんな感じの生涯である。

あと、本多静六を写真を調べてみてほしい。

 

これでもかというくらいの長いひげを蓄え、もう人生の本質極めちゃってますと言わんばかりの風貌である。

 

なので、本書の印象としては悟りの境地に達したおじいさんから話を聞いているという感じであった。

 

 

●健康長寿

本多静六の信条として「健康長寿」が挙げられる。

これは「人生100年時代」といわれる現代において、気になるワードである。

 

そんなに長生きしたくねえよって人もいるかもしれないが、健康でありたいというのは全人類共通のはずだ。

 

本多静六は86歳で生涯を終えた。

今の時代ならそのくらいまで生きる人はけっこういるが、彼の生まれた時代などを考えるとかなり長寿の部類に入る。

 

そんな彼の長寿の秘訣を本書では伝授してくれるわけなのだが、これが超シンプル。

 

粗食

散歩

 

以上です。

 

「いや、粗食って」

まずここにツッコミが入れざるを得ない。

 

現代と本多静六の時代では食文化が違い過ぎると反論したくなるだろう。

果たして本多静六はケンタッキーや天下一品のラーメンの味を知っても、粗食を続けることができるのか?

 

あれをお腹いっぱい食べたときの幸福感があなたに分かりますか?

 

不届き物の私はこんなことを思ってしまった。

 

そう。これだけおいしいもので溢れかえっている時代に粗食を貫き通すのは至難の業である。

 

本多静六の言う粗食ってのは「米、味噌、魚、野菜」などでなるべく生食が良いとのことだが、マジでむずいと思う。

 

正直に申し上げると、粗食に関して私はもうあきらめムードである。

一日に一回とか週に何回かとかならやろうと思うが、毎日毎食は無理。ごめんなさい。

 

しかし、もう一つのポイント「散歩」

これに関しては大賛成であり、絶対取り入れるべき習慣だ。

 

というより、粗食を放棄したためこっちは徹底しなければならない。

 

Testosteroneというゴリマッチョが「筋トレは最強のソリューションである」という本を執筆しヒットしたが、私は「散歩こそ最強のソリューションである」だと思っている。

事実散歩をすることはメンタルに好影響があるようで、もはやしない手はない。

私自身、筋トレは週3程度にし、散歩は毎日しているがとても気分がいい。

 

粗食を放棄したツケはここで払わせていただこう。

 

●働学併進

もう一つ大事なのが「働学併進」である。

よく働いて、よく学ぼうみたいな感じだろうか。

 

これは本多静六の人生観が色濃く出ている考え方だと思う。

 

労働意欲と向学心が低い私はスルーを試みようと思ったが、立ち止まった。

非常に健気である。

 

そして、まだ私にもこれらが残っていたと安堵している。

 

特に感銘を受けたのは、本多静六は晩年も学問に励んでいたことである。

この姿勢こそ何より真似すべきことだ。

 

私が恐れているのは、仕事しかしてこなくて、定年を迎えて何もすることがなく虚しい日々を過ごすことである。

 

これを回避するには学び続けるか、生涯現役で働き続けるかだ。

だからこの「働学併進」というワードが響いたのかもしれない。

 

せっかく健康長寿を目指しているのなら、その一日一日をより充実したものにしていきたい。

 

●究極の課題

最後に本書を読んで究極の課題が残ったので書いておこう。

 

職業の道楽化

 

これこそが最難関課題だ。

粗食や散歩なんかよりもけた違いの難易度である。

 

もしこれが達成できたのなら、日本中から死んだ目のサラリーマンはいなくなるだろう。

これは本多静六からの現代への挑戦状だと私は勝手に思っている。

 

さて、いかにして攻略しようか・・・