歩こう、歩こう、私は元気 「私の生活流儀」
私の生活流儀 本多静六【著】
●構成
私の健康長寿法
一、健康長寿はどうして求めるか
二、一生元気に働き続けるには
三、人間は百二十までいきられる
四、新生命観と人生計画の立て方
私の暮らし方・考え方
一、ムリのない法・ムダのない法
二、大切な住まいの工夫
三、家の内のこと・家の外のこと
四、頭の使い方と足の使い方
五、ぐっすり眠り忙しく働く法
六、金の話・人の話
超ザックリまとめると「健康長寿で一生現役で働いて学んでいこう」的な内容である。
●本多静六という人
まず本書を読むうえで、著者の本多静六という人について軽く知っておきたい。
1866年に埼玉県に生まれる。
1884年に東京山林学校に入学。
しかし、一度落第を経験し、そのショックから井戸に投身する。
そこから生還し、気持ちを新たに学問に邁進。
1892年には東京農科大学の助教授に就任。
研究のみならず、植林、造園、産業振興などマルチに活躍した。
また、質素倹約・投資・月給1/4天引き貯金により莫大な財産を得るも、退官を機に全額匿名で寄付する。
1927年、86歳で逝去。
ざっとこんな感じの生涯である。
あと、本多静六を写真を調べてみてほしい。
これでもかというくらいの長いひげを蓄え、もう人生の本質極めちゃってますと言わんばかりの風貌である。
なので、本書の印象としては悟りの境地に達したおじいさんから話を聞いているという感じであった。
●健康長寿
本多静六の信条として「健康長寿」が挙げられる。
これは「人生100年時代」といわれる現代において、気になるワードである。
そんなに長生きしたくねえよって人もいるかもしれないが、健康でありたいというのは全人類共通のはずだ。
本多静六は86歳で生涯を終えた。
今の時代ならそのくらいまで生きる人はけっこういるが、彼の生まれた時代などを考えるとかなり長寿の部類に入る。
そんな彼の長寿の秘訣を本書では伝授してくれるわけなのだが、これが超シンプル。
粗食
散歩
以上です。
「いや、粗食って」
まずここにツッコミが入れざるを得ない。
現代と本多静六の時代では食文化が違い過ぎると反論したくなるだろう。
果たして本多静六はケンタッキーや天下一品のラーメンの味を知っても、粗食を続けることができるのか?
あれをお腹いっぱい食べたときの幸福感があなたに分かりますか?
不届き物の私はこんなことを思ってしまった。
そう。これだけおいしいもので溢れかえっている時代に粗食を貫き通すのは至難の業である。
本多静六の言う粗食ってのは「米、味噌、魚、野菜」などでなるべく生食が良いとのことだが、マジでむずいと思う。
正直に申し上げると、粗食に関して私はもうあきらめムードである。
一日に一回とか週に何回かとかならやろうと思うが、毎日毎食は無理。ごめんなさい。
しかし、もう一つのポイント「散歩」。
これに関しては大賛成であり、絶対取り入れるべき習慣だ。
というより、粗食を放棄したためこっちは徹底しなければならない。
Testosteroneというゴリマッチョが「筋トレは最強のソリューションである」という本を執筆しヒットしたが、私は「散歩こそ最強のソリューションである」だと思っている。
事実散歩をすることはメンタルに好影響があるようで、もはやしない手はない。
私自身、筋トレは週3程度にし、散歩は毎日しているがとても気分がいい。
粗食を放棄したツケはここで払わせていただこう。
●働学併進
もう一つ大事なのが「働学併進」である。
よく働いて、よく学ぼうみたいな感じだろうか。
これは本多静六の人生観が色濃く出ている考え方だと思う。
労働意欲と向学心が低い私はスルーを試みようと思ったが、立ち止まった。
非常に健気である。
そして、まだ私にもこれらが残っていたと安堵している。
特に感銘を受けたのは、本多静六は晩年も学問に励んでいたことである。
この姿勢こそ何より真似すべきことだ。
私が恐れているのは、仕事しかしてこなくて、定年を迎えて何もすることがなく虚しい日々を過ごすことである。
これを回避するには学び続けるか、生涯現役で働き続けるかだ。
だからこの「働学併進」というワードが響いたのかもしれない。
せっかく健康長寿を目指しているのなら、その一日一日をより充実したものにしていきたい。
●究極の課題
最後に本書を読んで究極の課題が残ったので書いておこう。
職業の道楽化
これこそが最難関課題だ。
粗食や散歩なんかよりもけた違いの難易度である。
もしこれが達成できたのなら、日本中から死んだ目のサラリーマンはいなくなるだろう。
これは本多静六からの現代への挑戦状だと私は勝手に思っている。
さて、いかにして攻略しようか・・・
スマホ時間減らしてみたら・・・ 「スマホ脳」
スマホ脳 アンデシュ・ハンセン【著】
●構成
第1章 人類はスマホなしで歴史をつくってきた
第2章 ストレス、恐怖、うつには役目がある
第3章 スマホは私たちの最新のドラッグである
第4章 集中力こそ現代社会の貴重品
第5章 スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響
第7章 バカになっていく子供たち
第8章 運動というスマートな対抗策
第9章 脳はスマホに適応するのか?
第10章 おわりに
内容を超簡潔にまとめると「スマホ依存はヤベぇ」になる。
●スマホどのくらい使ってる?
スマホは現代人にとって欠くことのできないアイテムとなっている。
小学生から高齢者まで、老若男女問わず誰もが当たり前のように使う。
ではそのスマホ、1日に何時間使っているのだろうか。
本書によれば、大人は大体4時間使用しているという。
試しに私もスマホの使用時間がわかるアプリを取り入れてみた。
すると、だいたい1日3時間くらいであった。
ということは、単純計算で1ヶ月では約90時間。
否、休日などはもっと使用しているだろうから100時間は軽くいくだろう。
この現実は私にとってかなりショッキングなことだった。
「この時間をもっと有効に使えれば・・・」
そう感じずにいられない。
だが、そう感じながらも人はまたスマホをいじってしまう。
ここがスマホの恐ろしいところだ。
●作った人たちも脅威を抱く
興味深いのはこの依存性に脅威を抱いているのは、開発に携わった人たちである。
アップル社の幹部トニー・ファデルはこう述べたそうだ。
冷や汗をびっしょりかいて目を覚ますんだ。
僕たちはいったいなにを創ってしまったんだろうって。
うちの子供たちは、僕がスクリーンを取り上げようとすると、まるで自分の一部を奪われるような顔をする。
それも、激しく。そのあと数日間、放心したような状態なんだ。
また、フェイスブックの「いいね」機能を開発したジャスティン・ローゼンスタインという人はこう言った。
製品を開発するときに最善を尽くすのは当然のこと。
それが思ってもみないような悪影響を与える・・・
それに気づいたのは後になってからだ。
SNSでなにか投稿して「いいね」がつくと嬉しい。
しかし、それが依存度を高めていることは否定できない。
さらには、あのスティーブ・ジョブズも自分の子供には使用時間を厳しく制限させたというのだから驚きだ。
開発者側が恐れをなすほどだから、使用上の注意がかなり必要ということになる。
●スマホ依存の影響
でも、「スマホ依存の何が問題なんだよ」と疑問を抱くかもしれない。
たしかに死に直結するわけでもないし、人様に多大な迷惑をかけたりすることもない。
だから好きに使わせてくれよって思うのは当然といえば当然だ。
だが何より私自身、スマホ依存の悪影響を痛感している。
例えば以下の点にある。
- 集中しなければいけないときに集中できない
- 寝つきが悪くなる
- 目が重く感じる
こういった症状があるのだ。
本書ではこれらについても言及されており、様々な研究結果からスマホ依存と強い因果関係があるようだ。
また、精神面にまで悪影響を及ぼす。
特にSNSは危険で、その使用時間が長い人ほど「幸せではない」と思う率が高いというのだ。
他人との比較で劣等感などを生んでしまうのかもしれない。
さらには、うつ病との相関関係についても書かれている。
これに関してはいくつかの国で研究されており、うつ病の危険性が報告されているようだ。
著者の見解だと、スマホのせいで100%うつになるとは限らないが危険因子のひとつと捉えている。
自分たちの身近にあり、とても便利なものにもかかわらず、それが生活や心身を破壊しかねないというのは何とも恐ろしい話だ。
●結局、運動が最強な件
さてここからが大事なのだ。
本書はかなりのページ、スマホの悪影響について述べられている。
「もうお腹いっぱいですわ・・・」ってくらいに。
しかし!!
正直我々が知りたいのはそこよりもいかにか改善していくかである。
それが知りたいがために本書を買ったと言っても過言ではない。
「アンデシュ・ハンセン先生、すごいやつ頼みますよ・・・」
すがる思いで読み進めたが、なんとあろうことかそれについては終盤に少ししか書かれていない!!
まじか・・・と思いながらもここまで来たら読むしかない。
で、著者が猛プッシュしているのが「運動」である。
これについては多くの研究結果ある。
結論から言えば週3回、1回45分の運動でOKらしい。
内容も散歩、筋トレ、ジョギング、ヨガなどなど基本的には何でも良いそうだ。
ただ、強いて言えば心拍数が上がる程度をお勧めしている。
それと、この「運動」については著者の別書「一流の頭脳」を読んでみてほしい。
より詳細なことが書かれている。
これはマジでおすすめ!!
●スマホ時間減らしてみたら・・・
さて、実際にスマホ時間減らしてみようと一念発起してやってみた。
というもの、ここ数ヶ月で試験的に全くスマホを触らない日や時間制限を決める日を何日か設けてみたのである。
結果は辛いもので、自分の依存度がかなり高いと痛感せざるを得なかった。
近所のスーパーに買い物に行く際、家にスマホを置いて出ただけでもそわそわした。
他にも趣味に興じている時間ですら、手元にないと落ち着かない状況というありさまである。
しかしこれは無駄ではなかった。
結論として「時間はけっこうある」ってことがよく分かったのだ。
それもそのはずで、月に100時間以上スマホに投じているわけだから、その時間を減らせば他にかなりの時間割ける。
しかし、これを体験できたのは大きな進歩であり、あとはその時間をいかに増やして、有効活用できるかだ。
●改善策は自分で作る
最後になるが、本書は改善策についてはあまり多く述べられていない。
だからと言って、読むだけ損とか読む価値がないとは全く思わない。
むしろ逆で、「スマホ依存だろうが、なんだろうが関係ねえ!!」みたいな人を除いて、少しでもスマホ依存を改善したい人ならぜひ読んでみるべきだ。
というのも、これだけスマホが普及し、私たちの生活に溶け込み無くてはならない存在となった今、それに依存するのは至極当然である。
だから、これを改善する策の決定版はないと考える。
もし万人に効果てきめんなものがあるのなら、これほどまでにスマホ依存が問題になることはない。
よって、まずは本書を読んでみて、「これ当てはまるわ~」みたいに現実を受け止めてみる。
そこから、自分のライフスタイルにフィットした改善策を試行錯誤して作り上げることが大切ではないだろうか。
そう考えると本書の価値は計り知れない。
働かない生活ってどうなの? 「働かないって、ワクワクしない?」
働かないって、ワクワクしない? アーニー・J・ゼリンスキー【著】
●構成
第一章 あなたも、のんきで気楽な生活ができる
第二章 ものの見方が生き方を変える
第三章 仕事人間は奴隷と同じ
第四章 あまり働かないことは健康にいい
第五章 失業 自分がどんな人間かを知る真のテスト
第六章 私を退屈させているのはこの私
第七章 誰かがおこした火で温まるのではなく、自分で火をおこそう
第八章 受け身の活動だけでは何も得られない
第十章 くだらない仲間といるよりひとりになれ
第十一章 優雅な生活に大金はいらない
第十二章 終わりは、今、始まったばかり
ザックリまとめちゃうと、仕事一辺倒にならずに自由時間を楽しもう!的な感じかな。
所謂、ワークライフバランスってやつか。
なので、「働かない生活」を実現するための具体的方法というより、その生活を有意義に送るためのマインドが記されている。
●仕事人間からの解放
本書、なかなか刺激的なワードも散見する。
仕事人間は奴隷と同じ
仕事中毒の日本人
かなり挑戦的だ。
きっと、イラツとなった人もいるだろう。
だが、ここは一旦大人の対応といこうではないか。
何も仕事を一生懸命頑張っている人を馬鹿にしているではない。
その仕事一辺倒な生き方に警鐘を鳴らしているといった方が適切である。
これで思い出すのが大学時代に内定をもらって、入社前研修に参加した時の話だ。
当時の社長がこう仰った。
「学生時代に遊びつくして、仕事しかすることがない状態で入社してきてください!」
「仕事は自己実現!」
こんなパワーワードを繰り出してきた。
同期たちは何を思ったか知らないが、私は心の中で「絶対嫌です!」とはり叫んだ。
というのも、「定年迎えて仕事しなくなったらどうするの?」って思ってたからである。(ちなみにこの社長は何年も前に引退されているが、どうされてるんだろう・・・)
「若造のくせに何考えとるんじゃ!!」というお叱りを真摯に受け止めた上で話を進めよう。
だが、著者が懸念しているのはこの状態なのだ。
仕事しかしてこなくて、それがなくなったら自由時間はあまりに空虚で無機質なものになってしまう。
退屈極まりない日々が続くことは、容易に想像できるだろう。
「俺は仕事が大好きなんだ! ほっとけよ!」と憤慨する人もいるに違いない。
もちろん、それを否定するつもりは毛頭ない。
しかし、今の働き方に少しでも違和感があるのなら、一度真剣に考える価値は大いにあるはず。
●自由時間をとことん味わう
本書の核となるテーマが「自由時間」だ。
いかにこれを増やして充実させるかがポイントとなる。
ここは思い切って長期休暇を取ってみるのがいい。
著者は「仕事辞めたら? そんで次の仕事までたっぷり休んでみようや」みたいなスタンスだが、家庭や組織で地位のある人にとっては現実的ではない。
だから、サラリーマン的には長期休暇取得が有力だ。
「それができたら苦労しねえよ」って話だけど、どうにかこうにか取得する作戦を大真面目に考えてみるべきではある。
さて、長期休暇は各々が取得したと仮定して、次のステップはそれをいかに最大限充実させるかだ。
ここで大事なのは受け身ではいけないってことである。
新しく何かに挑戦してみたり、今までやってみたかったことに取り組んでみたりという自分主導の積極的姿勢が何より大切だ。
それともう一つ超重要だと思ったのが「お金がなければ充実しない。幸福になれない」という考えを改めることだ。
当然、お金がなければ生活はしていけない。
だが必要以上の、そして身の丈以上のお金を稼ぐことに躍起になって、大切な人とのつながりが薄弱になったり、本当に好きなことをやる時間を犠牲にしまくったり、最悪体を壊したりしては元も子もない。
これは私事だけど・・・
- 囲碁
- 読書
- ブログ
- 筋トレ
これらを趣味としてやっているが、ぶっちゃけほとんどお金はかからない。
お金をかけずに楽しい時間を過ごす方法なんて無数に存在している。
要はどうやってそれを探し出すかだけの問題だ。
本書を読んでまず感じたのはこれだった。
そして、この探し出すというのは一つのスキルであり能力だと私は考えている。
ありがたいことに、これは年齢も性別も学歴も仕事ができるとかできないとかも一切関係ない。
●働かない生活
最後に「働かない生活ってどうなの?」って話である。
ここは、現役バリバリで働かない生活を送っている人である私の感想を書いておこう。
ちなみに私は高等遊民でもないし、大富豪の養子になったわけでもないし、宝くじで10億当ちゃったラッキーボーイでもない。
ただただ、仕事で心身共に破壊されてしまっただけの人だ。(だいぶ回復はしたよ!)
長時間労働(残業100時間超)、サービス残業(仕事のテイクアウトも含む)、パワハラ、めんどくさい人間関係などなど経験し、現在はそのすべてから解放されている私が感じるのはこれだ。
「自由時間がたっぷりあるのってめっちゃ幸せ」
お金持ちにならなくても充実した時間を過ごすことはできる。
休職しなければこのことには気づけなかっただろう。
あとは、完全に労働時間を0にできないまでも残りの人生でいかに自由時間を増やせるかの勝負だ。
最後にタイトルの「働かないって、ワクワクしない?」への解答。
A.最高です!
脱ネガティブの秘訣は・・・ 「感情的にならない本」
感情的にならない本 和田秀樹【著】
●読むキッカケ
この本だが人からの勧めで読んでみた。
40万部を超えるベストセラーになった一冊とのこと。
で、勧めてくれたというのが心療内科の先生である。
「おいおい、大丈夫か?」
「病んじまったのか?」
そんな心配をしてくれる人がいるかもしれないし、いないかもしれないし、いてくれれば嬉しい。
結論から言えば、完全に病んではいないが完全に体調は崩した。
- 朝めまい、立ちくらみがする
- ご飯が食べれない
- 寝れん
- 1週間で体重が5㎏
- なんかもう常に憂鬱でだるい
まあ、ざっとこんな感じ・・・
原因はすべて仕事にあって、まともに働ける状態ではなくなってしまった。
現在は長期の休みを頂いており、心身ともに快方に向かっている。
何なら今が人生で一番楽しい。
まあそんなこんなで、先生からこの本を勧めてもらったわけだ。
●超ネガティブ人間
私は生来の超ネガティブ人間である。
「もしああなったらどうしよう」
「不測の事態が起きるんじゃないか」
そんなことばかり考えてメッチャ疲れる。
そこで今回の仕事の件やネガティブ思考について先生に相談してみた。
これに関して出てきたワードが「認知の歪み」というものだった。
認知の歪み(にんちのゆがみ、Cognitive distortion)とは、誇張的で非合理的な思考パターン(irrational thought pattern)である。これらは精神病理状態(とりわけ抑うつや不安)を永続化させうるとされている。
この概念は精神科医アーロン・ベックが基礎を築き、彼の弟子のデビッド・D・バーンズがその研究を引き継いだ。最も有名なのはバーンズが1989年に著した『フィーリングGoodハンドブック』であり、これらの認知パターンを学び、かつ除去する方法を記している。
こういった思考パターンは、その個人に現実を不正確に認識させ、ネガティブな思考や感情を再強化させうるとされている。バーンズは、気分や感情は事実ではなく、逆に「歪んだ考え方がマイナスの気分を生み出す」と述べている。
意味的にはこんな感じ。
まあ要するになんかあったら悪い部分ばかりに目がいき、行動できなかったり気分がふさぎ込んでしてしまったりするわけだ。
だからネガティブな人はこの歪みを改善していく必要がある。
●認知行動療法と本書について
これの改善方法としては「認知行動療法」というものがあるそうだ。
詳細な説明はされなかったが、その一環で本書を読むことを推奨された。
内容的にはこの認知行動療法をもとに、一般人向けに超平易な言葉でかみ砕いた内容となっている。
専門的な用語もほぼでてこないので、大変読みやすい。
認知行動療法について詳しく知りたい人は、専門家に聞くか専門書を読んでみることをおすすめする。
●結局どうすれば変われる?
最後に結局どうすれば変われるのかって話だ。
良い感じに本書を要約して考え方を変えたいところだが、なかなかそうはいかない。
やはり本を読んだだけでは、人間はそうそう変わらないってのが現実である。
だからと言って悲観することはない。
変わる方法は確実に存在する。
それは「行動する」ことである。
どんな些細なことでもいいから、何かやってみるのが大切だ。
本書では考え方や受け止め方を変えることがメインで述べられているが、正直私が感じたのは行動を変えることが何より重要だということだった。
仕事で悩んでいるなら転職について調べてみるも良し。
モヤモヤしているなら日記やブログを書いて言語化してみるも良し。
体型や健康に不安があるなら軽く散歩したり筋トレしたりするも良し。
きっと何かできることはあるはずだ。
そうすれば徐々にでも、ネガティブ人間から脱却していけると思う。
私自身、辛い経験をしたがこの休職期間で自分を変えていけるようにしたい。
何なら、あの時の経験があるから成長することができたと言えるのを目指す所存だ。
本書の内容は全く書かない記事になったが、読んで損はない一冊。
凡人上等!!だって「やり抜く力」が残されてるから
やり抜く力 アンジェラ・ダックワース【著】
本書を何回か読んで、これは大変興味深いテーマであると感じた。
それに、私がこれまでの人生で何度か考えてきたことでもあった。
様々な分野で活躍している人たちを見ると何を思うだろうか。
「あの人は才能があるから成功できた。」
「自分には才能がないから無理だ。」
その圧倒的な実績や才能を見てこう感じてしまうかもしれない。
私は それと同時に「この人たちと自分との具体的な差は何だろうか」と疑問に思っていた。
そんな私に大事なヒントを与えてくれたのが本書なのだ。
そのヒントと率直な感想を綴っていきたい。
●著者について
本書の著者アンジェラ・ダックワースさんはペンシルベニア大学の心理学教授である。
ハーバード大学を卒業後、オックスフォード大学で修士号を獲得。
その後、マッキンゼーで経営コンサルタント職を経て公立中学の数学教員になる。
そこからペンシルベニア大学大学院で博士号(心理学)を取得し、心理学者になった 。
そして2013年にはマッカーサー賞、別名「天才賞」を受賞するに至る。
私のような一般人からすれば超ド級の才能にまみれた人にしか思えない。
しかし、そんな彼女は「才能よりも努力の方が重要」というスタンスで話を進めてくれる。
●「やり抜く力」とは何か?
この本書のタイトルにもなっている「やり抜く力」とは何か。
それは「情熱+粘り強さ」のことである。
そしてこのやり抜く力は才能にも勝るというのだ。
さらに朗報なのがこの力は工夫次第で誰でも伸ばすことができる。
その考え方や実践法、事例が本書には詰まっているのだ。
●才能か努力か
何か成果を上げたり、成功したりするためには「才能か努力か」の論争が起こる。
これは、人生のどこかで向き合い、そして真剣に考える価値のある問題だと思う。
その答えになりそうなのがこの「やり抜く力」である。
著者は才能よりもやり抜く力が重要だという考えを頑なに曲げない。
やはり様々な分野の人にインタビューしたり、たくさんの研究をしたことで得た結果なので自信を持っているのだろう。
これが本当なら凡人代表であり、凡人ど真ん中の私にとってはこれほどの吉報はない。
ところが、「そうは言ってもね・・・・」と思ってしまうのが凡人の性である。
しかしここが大事なポイントだ。
本書で述べられているが、偉大な実績を残した人を見ると多くの人は「才能があったんだ」で片づけてしまう。
それはそのほうが「ラク」だからであり、自分が努力しない言い訳材料にもなる。
だが思い返してもらいたいのが、周囲から天才と称されている人たちはよく「自分は天才じゃない」と言っていないだろうか。
あれは嫌味や謙遜ではなく、本心だと思う。
きっとその人たちは日々努力していたはずだ。
そして私たちは、正しい努力の仕方や継続する方法を知らなかっただけなのかもしれない。
おっとそう言えば、かの有名はアインシュタインはこんな言葉を残している。
天才とは努力する凡才のことである。
●「何でも頑張る=努力」ではない
努力が重要ということは分かる。
しかし、何でもかんでも闇雲に頑張ればいいというものではない。
部活動でよくありがちな気合や根性に任せたがむしゃらな練習ではなく、きちんと考え抜かれた練習だ。
これは「意図的な練習」と紹介されている。
それぞれの分野で一流と称される人はこれを意識しているという。
その「意図的な練習」の条件とはこういうものだ。
- 明確に定義されたストレッチ目標
- 完全な集中と努力
- すみやかで有益なフィードバック
- たゆまぬ反省と改良
言われてみれば「まあ、そりゃそうだろ」感じるが、これ超重要である。
私がスポーツに明け暮れていたときの話になるが、1年間の休みなど10回もないくらいで、朝から晩まで馬鹿みたいに練習していた。
しかし、一向に強くならない時期を迎えた。
最大の理由は後で述べるが、上記の4点が何一つなされていない練習をしていたからだと断言できる。
しっかり考え抜かれた練習をすることで、成果を上げやすくなる。
そうすれば継続して努力したくなる。
意図的な練習によりやり抜く力の要素である、情熱と粘り強さを育むことができる。
●興味が土台
「好きこそものの上手なれ」という言葉がある。
これは私の好きな言葉でもある。
改めてネットで調べてみて、その内容を丸パクリで書かしてもらうが、「誰でも好きなことは熱心になるし、工夫を凝らすので上達が早い」という意味。
先ほどのスポーツの経験からであるが、私が完全に上達がストップしてしまったのはその競技に全く興味がなくなってしまったからだ。
こうなるともう気合や根性ではどうにもならない。
いかに興味を失わないか、そして教える側なら以下に興味を持たせるか。
ここがやり抜く力を左右する重要なポイントとなる。
●別に超一流になれなくてもいい
さて、本書を読んで情熱をもって粘り強く物事を継続することの重要性は分かった。
これからは学んだことをしっかり活かしていく所存だ。
最後に私の率直な感想を書いて終わろうと思う。
それは、別に超一流になれなくてもいいということ。
「おい、この本の内容ちゃんと理解できてんのか?」
著者にこう怒られそうだ。
しかし、歴史に名を刻めなくても、大偉業を為せなくてもそれは全く問題ないと思う。
正直、読後も私は天才は確実に存在すると思うし、才能も否定しない。
今日まで平々凡々なサラリーマンをしてきた私がやり抜く力を最大限に発揮しても、力士になって横綱になることは不可能だし、楽曲を製作してカリスマ的存在になることも不可能だし、学問を追及してノーベル賞を受賞することも不可能だ。
だからといって何一つ悲観することはない。
否、むしろ希望の方が大きい。
今から自分の好きなことを情熱をもって粘り強く取り組めばいいだけのことだ。
そうすれば、今後の人生はきっと充実したものになる。
つまり、やり抜く力とはこれまで特に力を発揮できなかった凡人がこれから楽しく生きていくための最終奥義だと私は結論付けた。
才能がないから、超一流になれないから・・・・なんていじけてないる場合ではない。
今からでもできることはきっとある。
最強の日課を作りだせ 「天才たちの日課」
天才たちの日課 メイソン・カリー【著】
天才はどのように天才になっていったのか。
あの独創的な発想はどこからやってくるのか。
類まれな能力を発揮している人を見ると誰もが一度はこんな疑問を持ったことがあるはずだ。
結論から言えば、それは「ルーティーン」の力によるものかもしれない。
もう少し親近感のある言葉に置き換えると「日課」である。
彼らは独自の日課を持っているケースが多い。
中には奇異に映るものや常識的にどうかというものもある。
だが、それらが自分にとって最大限に力を発揮できるのもだったということになる。
そんな彼らの「日課」にフォーカスしたのが本書だ。
面白いと感じたのは割と共通しているところが多いということである。
そこをピックアップしてみた。
●朝早い、午前中に活動している
やはりそうかとも思ったが、朝が早い人が多い。
朝5時や6時に起きて、活動している。
よく、ビジネス書や自己啓発本には「早く起きて、活動しよう」といった趣旨のことが書かれているが、この天才たちの日課から見ても理に適っているのかもしれない。
●規則正しい生活
決まった時間に決まった場所で仕事をしている。
こうすることで、無駄な思考や体力を使わずに済むと考えられる。
自分の生活にある程度の時間割を持っていたほうが良いだろう。
●コーヒーを飲む
天才的な才能とは直接関係ないものだが、なんかコーヒーを飲んでいる人が多い。
なかには一日4.5杯飲む人もいる。
これは日課の中にも組みこみやすい。
●散歩をする
これけっこう多い。特に小説かとか創造的な活動をしている人には。
歩くということは心身に良いことは間違いないようだ。
●自分の日課をつくるとするなら。
さてここから自分の日課をつくるとするならこんな感じか。
①早寝早起き
②朝食とってコーヒー飲む
③午前中にブログ書くor囲碁の勉強
④散歩に出る
それと休日はしっかり時間割を決めておく。
そしたらちょっと天才に近づけるかな。
「アウトプット大全」読んで、やはりブログは最高のアウトプットツールだと確信した。
アウトプット大全 樺沢紫苑【著】
この本を読んだらアウトプットしたくてしょうがなくなってしまう。
早速書いていこう!
●著者について
まず最初に気になったのがこの著者である。
普段は精神科医をされているようだ。
しかしこの方、ただの医者ではない。
とんでもないアウトプットを日々繰り出しているのだ。
例えばこんな感じである。
などなど。
さらにすごいのはここから。
- 18時以降は働かない
- 月10本以上の映画鑑賞
- 月20冊以上の読書
- 週4~5回のジム通い
- 月10回以上の飲み会
- 年30日以上の海外旅行
アウトプットし過ぎてもうよくわからない状態だ。
これが本当ならもはや医者ではなく、ただのアウトプットモンスターである。
そんなアウトプットモンスターがそのアウトプットの極意を伝授してくれる。
●なぜアウトプットが必要か?
まず、なぜアウトプットが重要なのか明確にしておこう。
その理由はシンプルで、アウトプットしなければ人生は変わらないからである。
いくら本を読もうが、セミナーに参加しようが、「良い内容だったな~」と感心してそれから行動に移さなければ全く意味がない。
ざるで水を汲む状態なのだ。
そして残念なことに著者曰く大半の人たちはインプット過多だという。
だから、10冊本を読んで何もアウトプットしないよりも3冊読んで3冊から学んだことをしっかりアウトプットする方がはるかに有益なのだ。
もし、叶えたい夢や達成したい目標があるのならそれはアウトプットすることでしか実現できない。
学んだことは必ずアウトプットする。
これが絶対条件となる。
●アウトプットの基本法則
さて、アウトプットの重要性が分かったところで、どのようにアウトプットすればいいのかという基本法則を押さえておこう。
- アウトプットの黄金比率
著者の提唱するアウトプットの黄金比率は「インプット3:アウトプット7」である。
つまり何か学んだらその倍以上はアウトプットしなければならないことになる。
これには個人差があるかもしれないが、少なくともアウトプットの方を多めにすることがポイントなのだ。
- アウトプットの頻度
次にどの程度の頻度でアウトプットすればいいのかという点であるが、「2週間に3回」が目安となるそうだ。
これは脳の機能にも関係がある。
脳に入ってきた情報というのは「海馬」に仮記憶され、その期間は2~4週間だという。
この期間に何度か使われた情報は、脳が重要だと判断し、「側頭葉」の長期記憶に移動する仕組みなのだ。
だから、これを一つの目安としてしっかりアウトプットしよう。
- フィードバックの重要性
比率もわかった。
頻度もわかった。
だからどんどんアウトプットしよう!
もちろんこれでもいいのだが、著者がさらに強調していることがある。
それが「フィードバック」である。
つまりアウトプットしたらそのままにしておくのではなく、結果をしっかり見直すのだ。
たとえば、本に書いてあることを実践したら予測しない事態が起きたとか、人に話したら思いもよらぬ質問が返ってきたなんてことがある。
それに対し原因を究明し、対策を講じなければならない。
そこから次のアウトプットの繋げる。
これは、ビジネスなどで用いられる「PDCAサイクル」に通じるものがある。
一見超めんどくさいと感じるが、成長していくためにはこういった地道な作業が不可欠なのだ。
なのでこの基本法則は必ず頭に叩き込んでおこう。
●アウトプットのツールは「ブログ」が有能
本書ではアウトプットのテクニックなどが80個も紹介されている。
「いや、多いな!」
「そんなの全部できんわ!」
きっとこう思うはずだ。
もちろん私も思った。
事実80個は多いし、若干かぶっている部分もあり、全部実行する必要はない。
そこで私がやってみたほうが良い、やって良かったという最高のアウトプット法を挙げておこう。
それがブログである。
正直ブログというのは、とんでもなく有能なアウトプットツールだと思う。
日記みたいに綴ることもできるし、こうして読んだ本の感想を書くこともできる。
それにネットさえつながっていれば、無料で開設が可能だ。
YouTubeなどは敷居が高い……と感じる人はぜひブログをやってみることをお勧めしたい。
●サラリーマンこそブログを書いてみよう
もう少しだけブログについて書いてみたい。
私がブログを始めるきっかけは「仕事がつまらなかった」からである。
残業を100時間もしていたこともあったし、理不尽な目に遭わされたことも幾度となくあった。
そんな時期、仕事終わりや休日は家に籠って本ばかり読んでいた。
しかし現実の変化は何もない。
それでも読書を続けていると「自分も何か書いてみたい・・・」という好奇心が湧いてきたのだ。
そこからブログに興味を持って、始めてみたという経緯である。
で、実際にやってみて感じたのは「サラリーマンこそブログを書いてみたほうが良い」ということだ。
正直、今日までサラリーマンをしてきて痛感するのは我々が頑張る理由は、上の人に怒られたくないに尽きる。
偉い人たちが現場を視察に来た時、上司が「今日は何も言われなくてよかった~」と安堵している姿を何度も見てきたし、指摘があれば「次回こられる時までに改善しなければまたなんか言われる」と怯えるところも見てきた。
どんなに壮大で美しい企業理念を掲げようが、現実は厳しい。
だが、それを受け入れるのもサラリーマンの宿命だと承知している。
それに対し、ブログはどうか。
全て自分の意志でインプットとアウトプットができる。
誰からも指図されることはないのだ。
この純度100%の「自分でやってる感」が味わえるのがブログの醍醐味である。
それともう一つ面白いのが「どこに繋がっているかわからない」というワクワク感。
副収入を稼いでいる人もいるし、ブログがきっかけで新しい仕事に巡り合えたという人もいる。
私自身、まだまだ書いた記事数も少ないし、アクセス数もほとんどない。
しかし、これを続けていくことでどこか知らない世界に行けるんじゃないかと期待を膨らませながら書いている。
この感覚が非常に気持ちいい。
仕事がつまらなくて嫌な人はぜひブログを書いて、これを味わってみてもらいたい。
最後は長々と本書の内容とは関係ないことを書いてしまったが、これからもワクワクしながら書いていくつもりだ。