目標がなかなか達成できないのなら「やり抜く人の9つの習慣」を読んでみるべき
やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功科学 ハイディ・グラント・ハルバーソン【著】
2月も中旬となったが、新年に立てた目標をきちんと計画的に進めている人はどれくらいいるだろうか?
お恥ずかしながら私の目標の進捗状況は芳しくない。
今日までの人生を振り返ってみても計画通りに目標を達成できたことは皆無に等しいと言える。
そこでだ。
この情けない状況を脱するために本書を紐解いてみた。
そこには根性論や精神論に頼らない、研究結果に基づいた有益な情報が書かれていたのでまとめておきたい。
●目標に具体性はあるか?
何か達成したい目標を立てたとする。
さて、その目標に具体性はあるだろうか?
もしかしたら、何となく目標を立てただけではないだろうか?
ここが未達の大きな原因なのである。
ただただ漠然としていては何をどうすればいいのか分からないのだ。
なのでもっと目標に具体性を持たせるようにしなければならない。
ここで私の目標を考えてみた。
どれも年内に達成したいことである。
これまでは「強くなりたい」「筋肉付けたい」「年収上げたい」など具体性に欠けていた。
だがこのように数字や期間を入れることで一気に現実味が増してくる。
具体的かつ詳細に達成したいことを考えるのがスタートラインなのだ。
●目標達成への行動計画をつくる
目標が具体的になれば、何をすべきなのかがイメージしやすくなる。
ところが、誘惑に負けてしまったり怠けてしまったりというのが人間である。
それを防止するために大切なのがif-thenプランニングだ。
これは「もしこうなったら、こうする」という意味である。
例えば
- 9時になったらブログを書く
- 13時になったらジムへ行く
という感じに決めておくのだ。
このように、事前に「いつ」「何を」するかを明確に決めておくだけで、実行できる確率は2~3倍までも高くなるのだという。
さらには、日々の計画を具体的な行動レベルまではっきりさせておくと、その行動をする可能性は300%も高まると心理学の研究で明らかになっているらしい。
●目標までの距離を確認しよう
目標を具体的にし、行動計画を考えたのならそれを達成するために努力しなければならない。
だが闇雲に努力すればいいというわけではない。
ここで重要なのは「進捗状況をモニタリングする」ということである。
冷静に状況を判断することで何をすべきなのかが分かってくる。
さらにここで著者は大事な考え方があると提唱する。
それが「これまで思考」と「これから思考」である。
- これまで思考 → 「どこまでやり遂げたのか」に視点を向ける
- これから思考 → 「あとどれだけやらなければならないのか」に視点を向ける
この2つの思考であるが、研究の結果から「これから思考」の方がモチベーションが上がることが分かった。
つまり、進んだ距離に目を向けるよりもこれから進む目標までの距離に目を向けることが重要なのだ。
●目標達成は困難なものと考える
ポジティブに物事を考えるのは良いことだと言われる。
そういった書籍もたくさんある。
だがここに重要な落とし穴があるのだ。
それは、「望むことは簡単にできる」「ほしいものは簡単に手に入る」と考えると失敗する確率が高まるというデータがあるということ。
目標を達成することを甘くみてはいけない。
巷にあふれているポジティブ本には「良いことだけ考えなさい」「悪いことは起きません」みたいな文言をよく目にする。
もちろん私はそういった考えを否定するつもりは毛頭ない。
しかし、本書のような様々な研究結果の見地から考えると、それらを妄信するのは危険だと言える。
目標を達成するためには目標が具体的であり、行動計画を明確にしておく必要があると述べた。
そうすると必ず乗り越えなければならない障壁やトラブルが出てくる。
そういった都合の悪いことから目を逸らし、ご都合主義に陥ってはならない。
現実をしっかり見極めその上で、心から成功を望みそれに相応しい努力をするのが科学的に正しいと言えるようだ。
●最後に
本書を読んだことでなぜ自分は目標を達成できなかったのかが分かってきた気がした。
大事なのは「目標を具体的にすること」「達成のための計画をきちんと考えること」
「達成するのにふさわしい努力をすること」である。
どれもシンプルなことである。
ところが往々にしてシンプルなことをちゃんと実践するのは難しい。
だが、学術的にはこれが有効なのだろう。
やってみるには十分価値のあることだ。