学生時代ちゃんと勉強してこなかった社会人(私)が、これから独学で頑張っていくための本
最強の独学術 本山勝寛【著】
正直に告白しよう。
私は学生時代、全く勉強熱心ではなかった。
テストで得点を取るため、単位を取るためといったその場しのぎの志の低い勉強しかしてこなかった。
全くもって親不孝者である。
そんな私は社会人になって「ちゃんと勉強しておけばよかった・・・」と痛感した。
これは私に限ったことではなく、周囲でもそういった声はよく聞く。
これを具体的に説明するのは難しい。
だが、何となくであるが「勉強ができる人≒仕事ができる人」ではないかと実感している。
ところが、今から学生と同じように勉強しようと思っても、会社を辞めて学校に再入学するというのは現実的ではない。
そこで「独学」の出番だ。
これからの時代は独りで学ぶという力が要求されてくるかもしれない。
だから、独学のノウハウは知っておいて何ら損はない。
本書はそんな独学で道を拓いた人の叡智が詰まっている。
●独学1.0・独学2.0・独学3.0
著者は独学を「独学1.0・独学2.0・独学3.0」と3種類に分けている。
それぞれ性質が異なっており、ザックリまとめるとこんな感じになる。
○独学1.0→短期(1年~2年)
短期間で成果が必要な場合の独学法。
資格試験などはこれが有効となる。
○独学2.0→中・長期(5~10年)
ある程度の期間を見越した独学法。
古典などを深く学び、教養を深めるため。
○独学3.0→生涯を通して
人生をかけて叶えたい夢を実現するための独学法。
一生学び続ける姿勢が不可欠。
●とりあえず社会人は独学1.0を活用する
「生涯をかけて達成したい目標は?」と聞かれても、ごくごく普通のサラリーマンは答えに窮するだろう。
5~10年先の目標でもピンと来ないはず。
そこで、とりあえず独学1.0をやってみるのがいいと思う。
なぜなら、目標がイメージしやすいし、取り組みやすいからである。
私が大事だと感じたのはこの3つ。
①目標を書き出す
自己啓発本やビジネス書をよく読む人なら既知の情報だと思う。
だがこれを侮ってはいけない。
頭の中でうすぼんやりと決めた目標よりも、明確に記した目標の方が努力が継続しやすいはずである。
家では目に付くところに置いておくとか、持ち歩くとかすれば自分を律することもできる。
これに加えてポイントとなるのが「期日を設定する」こと。
「○○○○年○月○日までに○○を達成」などと決めておけば、そこから逆算して今何をすべきかや進捗状況も把握できる。
まずは紙に書いてみよう。
②「ちょうどよい」ハードルを設定
目標を決めるうえで重要となるのが、そのハードルである。
目標を立てたときには往々にしてモチベーションが高い。
だが、果たしてそれをいつまでキープできるだろうか。
残念ながらほとんどの人は続かない。
そこで「ちょっと頑張ればなんとかなるよね!」くらいにしておこう。
高い目標を持つのも良いが、現実を直視できる冷静さも持っておきたい。
③「ルーティーン」を持つ
「ルーティーン」と聞くと型にはまったようで、なんだか味気ないといったイメージを持つ人もいるかもしれない。
だが、自分のルーティーンを持つことは素晴らしいと思う。
それは一種の習慣であり、モチベーションに左右されにくいからである。
モチベーションには波があり、全幅の信頼を置くことはできない。
反対にルーティーンはモチベーションの有無に関係なく行える。
自分の集中力を最大限に発揮できるルーティーンを持っておけば、これほど頼もしいものはない。